初めてのパスポート(3)


人生初めての海外旅行として沖縄で二泊し、
三日目に那覇港から台湾の基隆港へ渡った。

当時の台湾は政府による戒厳令が発令され、言論統制なども敷かれ、
今の新型コロナによる非常事態宣言より厳しい管理がされていた。

台北市内をブラブラと歩いていると突然警察に取り囲まれ、
そのまま署に連行され、地下の狭い部屋に連れていかれた。
一瞬恐怖であったが、しばらくすると
どう見ても理容師の様な人物が突然私の髪を切り始めた。
当時長髪だった私の髪を勝手に10分程で刈り上げ短髪にされ、
その上に料金まで取られた事に二度も驚かされた。

その後、お世話になった台湾の方が教えてくれのだが、
台湾には中国本土から多くの人が移り住んでおり、
私は反日感情を持った中国側の警察のターゲットになったようだ。

こんな恐怖を感じる経験もあったが、
多くの台湾人は親日家の人がほとんどであり、
日本人の学生である私に対し本当に優しく、
お金を払うことなく食事や宿泊をさせてもらうことができた。
(台湾での寝泊まりについては、次回に記します。)

この夏、「台湾民主化の父」と称され
親日家としても知られる李登輝元総統が亡くなられた。
彼の訃報に接し、人生で初めての海外旅行として旅した
台湾での日々が、とても懐かしく思い出せられます。

医療法人社団 映寿会
社会福祉法人 中央福祉会

理事長 北元 喜洋