パリで聞いた金沢弁
新型コロナの感染拡大する前までは、
金沢をはじめ銀座や京都など、日本各地の観光地に
中国人観光客がこぞって訪れていた。
そして、彼らのマナーの悪さや、
ブランド品や家電などを買い漁る行動から、
中国人に対して良い印象を持っている日本人は少ないと思う。
しかし、すこし前までは私たち日本人も、
アメリカやヨーロッパの国々からマナーが悪く
嫌われている国民だったことを忘れてはいけない。
というより知らない国民が増えている。
静かに料理を楽しむ高級レストランで大声で話し、
ブランド品の買い物袋とカメラを提げて海外の街を集団で歩く。
フランスのブランド店などでは、
日本人客が来た時は、新作などの大事な商品をそっと片づけて、
人気のない商品を日本人に薦めていたことがあったと聞く位、
日本人は買ってくれるが来店して欲しくないNo.1であった。
私が出張でパリに行った際、
ホテルのエレベーターで金沢弁を話す婦人団体に出会ったことがある。
エレベーターには彼女グループだけでなく他の利用者も乗っていたが、
彼女たちは、臆することなく大声で金沢弁を使って、
狭いエレベーターの中で他の人の迷惑をかえりみず
恥ずかしいぐらいに大きな声で話されていた。
面識もない女性たちの恥じらいのない言動に私は恥ずかしかったが、
私もつい金沢の方ですかと尋ね、なんでわかるのと盛り上がったことも忘れない。
ただ単にマナーというものを我々日本人は教えられていなかっただけで、
決して悪気があったわけではない。
そのような経験があっておもてなしの心を持つ日本人に育ったのだ。
若い人たちは、日本人は昔から優秀で、
礼節をわきまえた国民だと思っているかもしれないが、
それは一方的な考えであり、いろんな人がいたというだけだ。
1950〜60年代の日本の製品は安かろう悪かろうで、
海外からは低い評価しか得られなかった。
またある企業では、大分県宇佐市で商品をつくり、
宇佐を英語表記にすると「USA」であることから、
姑息にも商品にMADE IN USAと表記して輸出していたこともあった。
今の若者にとっては信じ難いことであろうが、
大なり小なり何処でも起こっていることだと思う。
いま、中国に対して冷ややかに思う人たちが多いが、
日本も海外から嫌われ軽蔑された時代を経て今がある。
そして、努力積み重ねて今の日本になったのだ。
だから、中国に限らず発展途上の国々に対しても
あたたかく長い目で見てあげないといけない。
人も国も成長・成熟するのには時間がかかる。
又、育つ環境も異なる。
多種多様な人と国があって面白く興味が尽きないが、
評価するのはなかなか難しい。
おもてなしという精神が日本の原点にあったなら、
太平洋戦争は起きてなかっただろう。
歴史、他国から多くのことを学んだから
おもてなしの心が生まれたことを忘れてはいけない。
各国のコロナ対策にもそれぞれの国家の知的レベルが表れている。
検査数もいまだ不明且つ増えず、GoToキャンペーンを行い感染拡大、
責任を国と地方が擦り合い、結局は国民に責任を転嫁する国に
我々は危機感を持たなければいけないと思う。
コロナは人が動くことで感染が広がり、行動力は感染力・感染拡大につながる。
65歳以上と基礎疾患のある人たちは行動を慎む人たちであり、数も少ない。
その人達だけを規制することはおかしな話である。
GoToキャンペーンというのは若者向けであり数も多い。
要は少数を規制し、多数の国民から批判されたくないだけなのだろう。
世界中のリーダーが批判されるのを覚悟し、
多くの国民を守るために規制を発令している。
トランプ大統領、そして日本は残念ながらそのようにはなっていない。
医療法人社団 映寿会
社会福祉法人 中央福祉会
理事長 北元 喜洋