働き者の手…商社マン時代
ミャンマーがまだビルマと呼ばれていた頃、
当時、新規プロジェクトを立ち上げろと
上層部からのプレッシャーが強くあり、
我が部の部長、課長も必死になって新規案件を探していたところ、
タイを担当する社員からタイの客先からの紹介で宝石を買い付け、
加工して日本で販売したらどうかとの提案があった。
いつでも、どこでも、なんでもという商社の精神に則りこの話にのり、
若手の私が、タイへ宝石の買い付けへ行くことになった。
当時のビルマ(現ミャンマー)は、
人気のあったモゴック産ルビーの産地であり、
採石されたルビーなどの原石を
ポケットいっぱいにしたビルマ人が、
命がけで国境の山を越えタイ・バンコクまで運んできていた。
そして、バンコクの宝石商がその宝石を、
町工場などできれいな指輪などに仕上げ、
その仕上がった宝石を日本の企業が買い付けをしていた。
我々はタイで買い付けしたその宝石を新規ルートで販売することを考え、
地方の農協と組んで販売を行うことにした。
農協が主催する販売会に来られるお客様は当然農家の方々で、
仕事柄、指の太い方が多かった。
そのために、私たちの用意した9〜11号の指輪ではうまく嵌めることが出来ず、
指輪のサイズを18〜22号に変更しなければならず大変な作業になり、
当初予定した利益には程遠くプロジェクトは失敗であったが、
販売会に来られる女性の笑顔がとても優しく輝いていたのを覚えている。
家族や仕事のために一生懸命に働く女性の笑顔やごつい手に本当に癒された。
我々の法人の職員も女性が約85パーセント。
多くの笑顔にご利用者様は生きる喜びと勇気をもらい、私は癒されています。
医療法人社団 映寿会
社会福祉法人 中央福祉会
理事長 北元 喜洋