Are You Hungry?
今の若い人や、子どもたちは、
どれだけの人が空腹感を感じているだろうか。
現代は、多くの人が生まれた時から
衣食住のすべてがそろっていて、
多くの人は不自由することなく生活することができる。
食事をするにしても、朝、昼、晩、
いつもお腹をいっぱいに満たすことができ、
自分の好きなものを選んで食べることもできる。
さらには、お金をかけなくても十分にお腹を満たすこともできる。
しかし、私たちが子どもの頃は、まだまだモノが足りない時代で、
モノがあるだけで幸せを感じることができたものだった。
そして、今から思うと貧しい食事で空腹感を満たしながら、
「次はもっと美味しいものを食べよう」、
と食事の質や、生活の質を高めようと
みんなが常に努力した時代だった。
今では、スーパーに行けばタマゴ1パックを200円ほどで買うことができる。
しかし、初任給が3,000円ほどであった1950年頃、
タマゴ1パックを買うのに310円も払わなければならず、
当時の月給の約10分の1という贅沢品であった。
現在の価格になおせば、月収が20万であれば
卵1パックが2万円ということになる。
病院への大事な人のお見舞いには必ず、
タマゴを10個ほど入れて箱を持って行ったものだ。
戦前の人たちは夢を見ることすらできず、
耐えることしかできなかった。
戦後生まれの私たちの世代は不便を感じても、
耐えるほどのことはなかったし、
アメリカの文化の匂いが既に感じられた時代であり、夢を見ることができた。
今の時代の人は欲しいものはすぐに手に入り、耐えることに慣れていない。
人は満たされると、上昇志向や
変化しよう、変えようという意識が薄れていく生き物だ。
だからこそ現実に満足することなく、
いつもどこかに空腹を感じる工夫をしなければいけない。
空腹の状態が成長ホルモンを分泌させる。
そして体にある物質をエネルギーに変えていく働きをする。
生理的にも空腹がエネルギーの源なのだ。
それ故に逆境に陥るときにパワーが生まれ、
困難に立ち向かうことが出来る。
Stay hungry, Go to fight.
Go to learn, Stay clever.
医療法人社団 映寿会
社会福祉法人 中央福祉会
理事長 北元 喜洋